20150711 光前寺
この寺は、霊犬早太郎説話でも知られています。
昔、光前寺に早太郎というたいへん強い山犬が飼われていた。
その頃、遠江の見附村では、毎年田畑が荒らされ、その被害に困った村人は矢奈比売神社の祭りの夜に村の娘を人身御供として神様に差出し、これを鎮めていた。
延慶元年(1308年)8月、この地を旅の僧侶が通りかかり、神様がそんな悪いことをするはずがないと祭りの夜にその正体を確かめると、
現れた怪物が「信 州の早太郎おるまいな、早太郎には知られるな」と言いながら娘をさらっていった。
僧侶は、早速信濃へ行き、光前寺で早太郎を探し出し和尚から借受けた。
そ して次の祭りの日、早太郎は娘の身代わりとなって怪物と戦い、見事退治した。
戦いで深い傷を負った早太郎は、光前寺までたどり着くと和尚にひと吠えして息をひきとったと言われている。
早太郎を借り受けた僧侶は、早太郎の供養のために大般若経を光前寺に奉納した。
これは寺宝として経蔵に保管されている。
また、本堂の横に早太郎の墓がまつ られている。